逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



うるさい、うるさいっ。



「なんであたしがこんな目に遭わなきゃなんないの!?」



「フフッ。なぁに?また人のせい?得意ね。あなたも、あなたのお母さんも」



あたしは彼女の胸倉を掴み、睨みつけた。



だって、アンタのせいじゃん。



こうなったのも全部、アンタのせいじゃん……!



「今度またお母さんのこと悪く言ったら……許さないからっ」



あたしの言葉に彼女は不敵な笑みを浮かべる。



彼女はあたしの手を振りほどき、あたしの部屋から出ていった。



――バタン。



部屋のドアが閉まり、あたしは拳で床を叩きながら、うずくまる。



声を押し殺して、泣いた。



「……うっ……っ……」



――助けて。



お母さん……。



お母さんに逢いたいよ……。



いますぐ逢いに来て……あたしを優しく抱きしめてよ……。



「……っく……っ……」



誰か……助けて……。



苦しいとき、泣きたいとき。



頭の中に浮かぶのは、やっぱり君だった。



いまも変わらず。



あたしは心の中で



君に助けを求めてしまう。



橘くん……助けて――。
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