逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
――ねぇ、橘くん。
小さな星屑でもかまわない
夜にしか見えなくても
誰にも見つけられなくても
あたしは星になって
君を見守ってるから。
どんなに遠く離れても
違う世界にいても
あたしは君を忘れない。
君を想ってる。
これから先、この世界で生きていく君が
どうか幸せであるように……
そう願ってるから。
ずっと、ずっと――。
瞳をゆっくりと閉じて、静かに息を吸い込む。
……お母さん、いま行くね。
心の中で呟いたあたし。
「……っ」
崖から飛び降りた瞬間、
右腕に強い衝撃と同時に痛みが走る。
目を開けたあたしは、一瞬何が起きたのかわからなかった。
……あたし……まだ生きてる……?
あたしの体は宙にぶらさがっていた。
上を向くと、橘くんが崖の上からあたしの右手を掴んでいた。