逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
橘くんのおかげで学校に遅刻しなくて済んだ。
朝のHRの時間、担任が教卓の前に立つ。
「いよいよ明日から沖縄に修学旅行へ行くわけだが……」
2年生は、明日から沖縄に3泊4日の修学旅行。
「荷物のチェックして、今晩は早く寝るんだぞ。遅刻すんなよー」
チラッと橘くんの席を見ると、彼と目が合ってしまった。
あたしは慌てて視線を逸らす。
なんで目が合っちゃったんだろう……!
なんかヘンに思われたかな?どうしよう。
橘くんとは、あいさつしたりする程度で、ほとんど話すことはなかった。
教室にいても、橘くんの周りにはいつも数人の男子たちがいる。
だから今朝、橘くんとあんなふうに自然と話せたことも、まだウソみたいで。
修学旅行中に橘くんと、今日よりもっと……
ううん。ほんの少しでもいいから話が出来たらいいな。
そんなの欲張りかな。