僕の死に方
 下校はほとんど、藤見正信と一緒。些細な雑談を交わしながら、親交を深めていく。
「僕なんかと一緒にいたら……堂島くんまで苛められちゃうよ」
 藤見正信は、よくそんなことを言ってくる。
「そんなこと、気にしないよ。僕は、僕のためにやってるんだから」
 この言葉に、偽りはない。
 だけど藤見正信は、そんなことには気付くはずもなく、遠慮がちに笑っていた。
「あ、ありがとう……ごめん」
 礼と謝罪がほとんど同時にやって来る。これも、大体いつも通りのやり取りだ。
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