LOVE SCHOOL

「美波ちゃん?どうかした?」




「え?!……あ、何でもないよ。」



あたしはそうニコッと笑顔を向けるとお弁当を食べる。




「美波ちゃん、日曜日出かけたりする?」



「…あぁ〜…塾行かなきゃだぁ…」


あたしは少しためらいつつも嘘をつく。


1年間も嘘をつき続ければもう嘘をつくことに慣れてしまうあたしがいる。



「そっか…。頑張ってね。」



そう愛奈は微笑むとカラフルなお弁当にフォークを近づける。




本当は愛奈があたしを日曜日遊ぼうと間接的だが誘っているのを分かってる。



分かってるから嘘をつく。






学校外でも仲良くするほどあたしは、優しくなれない。






愛奈はあたしとは正反対だから。




少し茶色かかったウェーブがきいた髪を胸まで伸ばし、低い身長に思わず守ってあげたいと思わせるような容姿。



頭が良く、誰にでも親切にしおしとやかな性格。





あたしとは正反対だ。



真っ黒なストレートな長い髪をポニーテールに結び、168cmと女子にしては高い身長。




口が悪く、きっと性格はキツいだろう。





そんなあたしと愛奈だったら男なら愛奈を選ぶのが正しいと思う。







でも、他の男がどう思おうがどうでもいいけど優介だけにはあたしを選んで欲しかった。






あたしを選んで欲しかった……
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