クリスティアナ

ショック

「身分が分かったからにはお前にはしっかりとした後見人、もしくは夫を探すつもりだ」



「っ!な、何を言っているんですかっ!」



ルーファスに文句を言いながらもキースの顔を見てしまう自分がいた。



相変わらず何を考えているのかわからない顔をしている。



「俺は王女じゃない そうだとしても後見人や夫などいらない!」



そう言い切ると吐き気が込み上げてきて、手を口元に持っていく。



あまりの気分の悪さにクリスは立ち上がり、ふらつく足で執務室の扉を開けた。



「クリス様っ!」



リリアが追いかける。



クリスは階段を降り、中庭に出てしゃがみ込んだ。



「うぅっ……」



「クリス様、大丈夫でございますかっ!?」



吐いているクリスの背中をさするリリアだ。



俺は王女なんかじゃないっ!



「ショックでしたのね」



同情の声がする。



乱暴に立ち上がると目の前が真っ暗になった。



意識が途切れて倒れかけた身体をいつの間にか来ていたキースが支える。



「キース様っ!」



「俺が連れて行くから部屋にガラム様を」



膝の裏に腕を差し入れ抱き上げる。



「は、はいっ」



リリアは先にその場から去った。



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