クリスティアナ

山小屋

夜が明けるのはもうすぐだった。



クリスはもう一度眠ることを止めて馬に乗った。



そしてワルテ山の小屋を目指した。





太陽が真上に来た頃、クリスは小屋に到着した。



それほど月日が経っていないのだが、懐かしいと感じた。



「扉が開いている……」



近づくと扉が少し開いていた。



まさか、山賊が中に?



クリスは腰にぶら下げていた剣を鞘から抜いて、静かに近づく。



剣も騎士の武器庫から持ってきたものだ。



自分にとっては少し重いが、ないよりはましだろうと持ってきた。



持ってきたというのは聞こえが良い。



実際は盗んできたのだから。



中から音がしないか耳を澄ませる。



何も聞こえなかった。



大きく深呼吸を一つすると扉を大きく開け、剣を構えた。



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