左手のエース
その声に勢いよく振り向くと、
あたしはわざとらしく
舌打ちし、口を尖らせて言った。




「またリョウだよ…。
なんでこう、

あたしの情けない場面ばっか見てるのさー。」






「…自覚あんならどうにかしろ。

………お前、バス通?」




「…いや、隣町まで行こうかなって……

あっ!!リョウ、チャリ通なの!?」





あたしはチャリにまたがるリョウを再確認して立ち上がった。




「リョウん家も隣町だよね!?
後ろ乗せてって!!」




あたしは自分の顔の目の前で
両手を合わせる。





「無理。」


リョウは冷たく言ってのける。



あたしは去ろうとするリョウの自転車をガシッと掴む。
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