左手のエース
「なんでよ!?お願いっ!!
運転が大変なら
あたしが運転するから!!」
「別にできるけど嫌だっつってんの。離せ。」
「嫌っ。」
「………。」
リョウがイラついてきてるのがわかる。
「………ごめん…」
あたしは諦めて手を離した。
いくら少し仲良くなってきたからと言っても
やっぱりリョウの雰囲気には慣れなかった。
「………隣町に何の用だよ?」
リョウは堂々とタバコに火をつけながら言った。
「……南高校のバレー部を
一度見ておきたくて。
来週の試合、南高となの。」
リョウは返事しなかった。
あたしはクルリと向き直って
またベンチに腰掛けた。
「てか、本当は部活なんだけどね。
イロイロあって追い出されちゃってさ。
バカだよねーあたし。
ほんとに……
あたし何してんだろ…。」
部活でのことを思い出すと、
やっぱりまた気持ちが沈む。
あたしがしばらく目をぎゅっと閉じていると、
後ろから
乗れよ、という声がした。