水嫌いマーメイド
「如月高校です」
で、ちゃんと丁寧に答えてるし。
「そぉなんですかぁ~??」
「超カッコイイんだけど~♪」
そして、さりげなく近づいて来て、水沢の隣に座った。
あたしは、こーゆーのが苦手で、とばっちりを喰らわないよう、少し離れたベンチに座り直した。
「ありがとうございます。でも、世の中には俺よりカッコいい人は、沢山居ますよ」
「そんな事無いです~」
「今の人気俳優より、ダンゼン!!」
水沢…ナンパって、分かってるよね?!
水沢は冷静に何事も思わせないような、顔で話していて、その顔は女の子達をヒートアップさせて、キャアキャアと水沢に話しかけている。
「あれ?この子……彼女サンですか~?」
「ウソぉ~!!」
「フツーじゃない?」
「分かる~!」
あたしの話を始める、女の子達。
折角、とばっちりが来ないように離れたのに……何であたしに飛び火が付いたんだろ?止めて欲しい。
『あ、あたしは…!!』
「うん。彼女だよ?」
「そ、そうなんだぁ~?」
「だから……もう帰ってもらえない?」
水沢…こわッ!
優しい声して、静かに怒っている水沢潤は、あたしが知ってる水沢潤じゃないようで、少し怖かった。
『ちょっ……!』
「良いから、妃泉」
…ん…………妃泉?
今、水沢…あたしの名前を呼び捨て…に…した?!
なっ……何の嫌がらせ?!からかわれてる?!それか、空耳?!でも、はっきり聞こえた…。
“妃泉”って。
「……行こッ」
「如月なんて、洸仙に負ける運命なんだから!」
「ずっと優勝だからって、調子乗んな!!」
「どうせ、ドーピングしてんじゃねぇの?!」
「そりゃどーも」
最後の方は、当て付けに聞こえたけど興が削がれたように走っていった。
…洸仙に負ける運命って、事はあの子達…洸仙?
しかも、水沢に冷たくされた瞬間、急に言葉遣いが荒くなったし……なんてベタな人達…。
「あー、すっきりした」
『そ、そう……』
「さっきはごめん……勝手に彼女設定にして」
『い、良いよ…そんなの…。あんな状況の時は、そうするしか無いじゃん』
……それか、本当に付き合ってなきゃ…ね。やっぱり、水沢ってそれなりにモテるんだ…。