ミルクティー
お昼ご飯が出来たんだ。

口を開いたのはお兄さん。


「お昼…出来たみたいだね」


「はい」


「最後に…1ついい?」


「何ですか?」


何だろう?



「海斗の事“後少し”よろしくね」

「後少し?」



何の事?

後少しって…


卒業…にはまだ早いよね…


ちょっと引っかかる言葉。



「あの、『後少し』ってなんですか?」


「海斗から何も…」



「兄貴!!」



突然聞こえてきた強い声。


私とお兄さんの後ろにいたのは海斗だった。


声が怖い…

体中が震える…


「何、話していた」


「まだ何も…」


「………」



お兄さんと海斗はお互い黙ったまま。


ピリピリとした空気が流れている。



怖いよ…


「か、いと…」


私の声にハッとした海斗。


「兄貴…外してくれる」


無言でその場から立ち去っていったお兄さん。


「雛那ちゃん、おいで」


さっきとは違く優しい声の海斗。

その声で私を呼び寄せてくれるけど…


怖くて動けない。


「雛那ちゃん」


海斗は私を抱き締めてくれた。


最初、体はビクッとした。


けど海斗が「大丈夫」って言って背中に手を回しポンポンってしてくれた。


それはまるで私の恐怖心を取り除いてくれるように…



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