小さな恋【完結】
「一哉先輩、一つ聞いてもいいですか?」
「いいよ。なに?」
アスファルトに腰をおろして大きく背伸びをしている先輩。
あたしは少しだけ遠慮気味に聞いた。
「先輩は、あたしと一緒にいて退屈じゃないですか?」
「ん?何でそう思うの?」
「りっちゃんとケンちゃんは付き合ってるけど、あたしと先輩は違いますよね?
だから、あたしと一緒にいるの嫌じゃないかなって……」
りっちゃんとケンちゃんは、あたしと一哉先輩が二人っきりになれるように、色々手を回してくれている。
今日もきっとそう。
ケンちゃんがお昼ご飯を忘れたなんて口実。