小さな恋【完結】
「……大知……もうすぐ来るかな……」
約束の時間まであと5分。
この日があまりに待ち遠しくて、あたしは一時間前からこの青いベンチに座って大知を待っていた。
一分おきに時間を確認して、ソワソワと辺りを見回して。
胸がドキドキと高鳴って、顔が緩む。
こんな気持ちも……たまには悪くない。
会ったら、まず何て言おうか。
今のあたしの気持ちを最初に伝えよう。
大知への……この気持ちを……――。
「……――大知、好きだよ。大好きだよ」
うん。それにしよう。
一年分のあたしの気持ちを一番最初に伝えたい。