ネコ専務シリーズ
そしてあとの10年で、ネコキングは
銀河統一の戦いに乗り出した。

惑星マタタビそのものを移動させながら
銀河中を転戦し、強きをくじき弱きを
助ける戦略で、少しずつ味方の星を増や
していったので、今ではネコ銀河世界の
80%までを勢力下に置くに至っていた。


まだあと20%が残っていたが、ネコ
キングは、

「この今ですら広大すぎる領土をまとめ
 続けるには、強力な中央集権でなけれ
 ば無理だ。
 いずれは共和制に戻す前提で、今は
 帝政から始めよう」

として、自分はネコエンペラーを名乗り、
この年、ネコ銀河帝国の建国を宣言した
のであった。


こうしてネコ帝国は誕生した。
マタタビは帝国の首都として定められ、
ネコエンペラーの先祖たちの巨大な像が
いくつも立てられた。

賢明な読者はもうお気づきだろうが、
「マタタビ」という、先祖発祥の土地の
名前を星の名にもっているネコエンペラ
ーは、ネコ専務の一族の子孫、それも、
ネコ博士の子孫だったのである。

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