ネコ専務シリーズ
その日、ネコ専務は来日したフランスの
大臣と会う予定だったのだが、キャン
セルし、ネコガールの晴れ舞台の方を
優先した。

会場に行って、ネコガールがいろいろな
衣装を着て歩いているのを実際に見て
みると、ネコガールは我が姪ながら、
飛び抜けて美猫であった。

容姿も端麗だし、それに子猫のときから
ネコ専務たちにかわいがられてすくすく
と育ってきているせいか、見ているだけ
でついニコニコしてしまいそうな、
明るい美があるのである。

それに改めて気づいたネコ専務は、急い
で会社に戻り、ネコガールを会社の広告
に起用するように指示した。

こうして半年後には、ネコガールは会社
のイメージキャラクターとして、CMや
ポスターなどで日本中あらゆるところで
見られるようになったのだった。

ところで、それでネコ専務は「身内ばか
りひいきする職権濫用」として批判され
なかったのか?
それは、ネコガールが実際に大人気に
なったので大丈夫だった。

しかしその一年後には、ネコガールは
モデルを引退した。お金はもう十分たま
ったので、今度はビジネスを勉強して、
ネコ専務の秘書になろうというのである。

ネコガールは頑張って勉強し、ネコ専務
がネコ社長になったときには、見事、
ネコ専務の秘書のひとりになることが
できたのであった。

            おしまい

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