ネコ専務シリーズ
ふたりのある日

あなたのある日

あなたは、東京都港区に本社を置く世界
最大級の多国籍企業で、最年少の専務を
している。

あるやや暖かい冬の日、あなたはジリ
ジリと叫ぶ目覚まし時計の音に飛び起き、

「それはヘリコプターだよ、ママ」

と呟いたが、部屋の隅からあなたを見て
いる四つ足の白猫の目は、

「また寝ぼけてるわ、この人」

と言っている。


はっきりと目が覚めたあなたは、朝食に
食パンを2枚焼き、ひとつにはイチゴ
ジャム、ひとつにはチョコレートクリー
ムを塗って食べる。
飲み物はぬるいキリマンジャロ。

飼い猫がニャーンと鳴いてすり寄って
きたので、あなたは彼女に高級キャット
フードを与え、

「おっと、そろそろ行かなきゃ」

と言って、ネクタイを締めてマンション
を出る。





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