ネコ専務シリーズ
ネコガールと少年
ネコガールが21歳の夏。人気モデルと
して活躍していたネコガールは、自分の
仕事を楽しんではいたが、所属事務所と
の間でちょっとしたトラブルが発生し、
ストレスが溜まってきていた。

ふと海を見たくなったネコガールは、
8月下旬の水曜日、事務所に

「すみません、熱が出まして・・」

とウソの電話を入れて仕事を休み、真っ
赤な愛車をかっ飛ばして、東京の南に
ある三浦半島に海を見に行った。

ネコガールは子猫のころに一度、三浦
半島に家族で遊びに行った思い出が
ある。
それで何となく「三浦半島!」と思って
車を走らせたのだ。

三浦半島は神奈川県にあって、横浜の南。
横須賀や葉山のある小さな半島で、東は
東京湾をはさんで千葉県の房総半島に
向かい合い、西は相模湾をはさんで静岡
県の伊豆半島に向かい合う、そういう
位置だ。


< 227 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop