ネコ専務シリーズ
ネコ専務が本当に楽しそうに夢の話を
するのを聞いているうちに、ネコガール
もつられて楽しい気分になってきた。
ネコガールはにこやかに言った。

「すごく凝った夢ね。おじさん、作家に
 なれるわよ。
 
 ねえ、おじさん、それ、博おじさんに
 も教えてあげたら? 小説のネタに
 使うかもよ」

ネコ専務は、そうだな、そうするかと
言って電話を切った。しかしネコ専務は
ひとりに話したことで、もうけっこう
気が済んでしまったため、ネコ博士への
電話はかけなかった。

ケータイをしまうと、さっきの夢の続き
をもう一度見れないものかと期待して、
ネコ専務はのそのそと、飼い猫のシロが
その上で丸まっているベッドへとまた
潜りこんでいったのであった。

             おしまい



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