ネコ専務シリーズ

ネコＳＦ・１

犬猫銀河大戦

西暦20008年、銀河系を二分して、
ネコ帝国とイヌ帝国が戦っていた。
この戦争は、今年で千年目に入るの
だった。

そんな中、ネコ艦長は全長500Ｋｍの
巨大戦艦「グレートキャッツ」を率いて、
本星に帰還していた。
そのとき、グレートキャッツは突如、
イヌ帝国の大艦隊に包囲されてしまった。

敵艦隊から一斉に、ネコをフラフラに
させてしまう「ハイパー・マタタビ砲」
が発射された！

しかしグレートキャッツのバリアーは
厚く、ハイパー・マタタビ砲のエネルギ
ー波はことごとく、グレートキャッツの
艦体のはるか手前でさえぎられる。

ネコ艦長は悠然と反撃に出た。

「波浪砲、発射用意」

波浪砲はグレートキャッツの全方位に
発射できる、究極の兵器である。

「エネルギー充填、122パーセント」
「対ショック・閃光防御」

ネコ艦長はボタンを押した。
「波浪砲、発射！」

イヌ艦隊が波浪砲を浴びると、激しい
波のような震動がイヌ星人たちを襲い、
みんな立っていられなくなって、床を
コロコロ転がった。

その間に、グレートキャッツは余裕
しゃくしゃくでワープして、戦域を離脱
したのだった。



このようにして、ネコ星人とイヌ星人は、
「犬猫銀河大戦」を仲良くケンカして
いるのであった。

千年のあいだ、この戦争で死んだ者は一人
もいないとのことである。

　　　　　　　　　　　　　おしまい