ネコ専務シリーズ
ネコ専務の宇宙旅行
ネコ専務は子猫のときから星が大好きで
ある。天文学や宇宙論の本も好きでよく
読んでいたので、宇宙に関してはけっ
こう詳しいのだった。

ある日、ネコ専務の家に一通のハガキが
届いた。それは、ネコ専務が先日応募
ハガキを30枚出しておいた、
「宇宙ロケットにタダで乗れる!キャン
ペーン」
に当選したという知らせであった!

こうして、ネコ専務は大喜びで宇宙に
出発したのである。



コースとしては、地球の周りをぐるぐる
回るだけなのだが、ネコ専務は人生で
一番幸せであった。
ネコ専務は何時間もちっとも飽きずに
地球を眺めていた。

そのとき、ネコ専務はふと目が覚める
思いがして、何かを悟った気がした。
宇宙全体が自分に話しかけてくるような
感じがして、

「地球は広い宇宙の中でも有数の楽園で
 ある」

「自由・平等な性質をもつネコという
生き物は、本来楽園である地球をより
良く統治するためにいる生き物である」

などと思われてきたのだった。



地球に帰ったあと、ネコ専務は基本的に
は別に何も変わらなかったのだが、その
後ネコ専務が日本の首相を目指したり、
地球最初の大統領になったりしたのは、
このときの宇宙体験があったからなの
かも知れない。

              おしまい

< 35 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop