ネコ専務シリーズ
3日後、猫魚軍は巨岩が前後左右に乱立
する、海底の難所にさしかかっていた。

ここは来たときにも通ったので分かって
いたことだが、一度には通れないため、
軍勢は海蛇のように長々とした列になっ
て、えっちらおっちら苦労して通り抜け
ようとしていた。

猫魚はまだしも、猫魚のようにはスイ
スイ動けないネコ住職は、一番苦労して
列の後ろの方を進んでいたが、そのとき、
左方から突然飛び出してきたものがあっ
た。

次の瞬間、ネコ住職の左腕に激痛が走っ
た!ここに待ち伏せしていた一人の虎魚
が、ネコ住職だけを狙って、その左腕に
かみついたのであった。

血が派手にしぶいた。その虎魚は興奮
した猫魚たちにたちまち捕えられて、
槍でとどめをさされようとしていたが、
ネコ住職が慌てて、

「待ちなさい、殺してはならん!
 わしは大丈夫だ!」

と叫んだため、命を拾った。

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