ドキドキしてる

「ちょっと落ち着こうよセンセイ(笑)
それ焼酎?それ飲んでちょっと落ち着こうよ。」

(なんでこの子…こんなに落ち着いてるのよ…)
なんだか腑に落ちないソラだったが、言われるままに焼酎ロックを口にした。

「センセイってそうゆう素直なとこも可愛いんだよなぁ…(笑)」

(へ…??またバカにされた??)
ソラは思わず黙り込む。

しばらく何か考え込んでいたソラはハッと気づいたように言った。

「こんなとこ、一緒に飲んでるとこなんて誰か知り合いに見られたりしたら
大変だよ?!出よう!!」

すぐには動こうとしない長岡に、

「ほら!早く!!」
「金は??」
「いいから!私が済ましておくから出て!」

外に出てしばらく歩く二人。

「俺、ご馳走したかったのになぁ!センセイに!」

「ばか!生徒に奢ってもらうわけにはいかないでしょ!」

足早に歩くソラ。

「もーう、なんでそんなに怒ってんのぉ~センセーイ。」

ソラが立ち止まって言い放った。
「ったく、あったりまえでしょー!普通、マッチ拾ったからって来ないでしょ?!店にまで!」

(なに考えてんだか…近頃の若者は…!)

「なんか教師やってたら、普通より早くフケそうだわ…」
ふと立ち止まり、呟いた。

「いいじゃーんセンセイ、若く見えるんだしっ少しくらいフケたって!」

(それ本気で言ってたらコロス…)

「あー今、ちょっとムカついてるでしょ?」

(この子こんなによく喋って、こんなに軽い感じの子だったっけ?)
今までのイメージと少し違う、長岡に背をむけたままソラは思った。

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