カベの向こうの女の子
春菜が怒る(正確には怒ったふり)から俺は笑った
俺が笑うと春菜も口角を上げた
教師とできてると知ったからか、余計に春菜とロングヘアーが似合わない気がした
「それで、なんで今日会いたかったの?」
すばり本題にいきなり入ったから、少し無防備だった俺はドキッとした
いきなり緊張しだした
「あー、えっと…、春菜どっか行きたいとこない?」
「んー?行きたいとこ…。なんで?」
また来ましたか
ストレートに聞かれるとこっちもストレートに返さなくちゃいけなくて困る
俺は頭をかいた
「春菜と…」
俺はそこまで言って言葉に詰まった
「ん?」
「…春菜をどっか連れてってやろうと思って」
本当は春菜と出掛けたいってすぐ頭に浮かんだけど、素直に言えなかった
でもこれでもがんばったほうだ
「あはは、なにそれ。そうだなぁ…。」
春菜は少しの間考えて言った
「おばあちゃん家…?」
「は?ばあちゃん家?」
「うん」
春菜な真面目な顔で俺を見つめてきた
「なんで?つかどこにあんの?」