堕ちていく二人
「このマンションもあげるから頼む」
「まだ分からないの。
私が貴方と別れないのはお金や家の問題じゃないの。
言わば貴方への復讐よ!」
「復讐?」
「そう、貴方と結婚し裕也が生まれた時、私がどれだけ嬉しかったことか。
そして、家族三人で幸せな未来を築いて行こうと心から願っていたのに。
貴方はそんな私の夢と身体と心までもめちゃくちゃにしたのよ。
見なさい、この身体のアザを!」
玲子は桂司の目の前で服を脱ぎ捨てた。
「私をこんなボロボロにしておいて、貴方はお金で解決出来るとでも本気で考えているの。
それもほとんど親のお金でしょ。
私はそんなお人よしじゃないわ!
私と別れたらどうせまた別の女を作って、自分一人だけいい思いをするんでしょう。
そうはさせないわよ。
貴方は今までどおり働いて、お金を稼いでくればいいのよ。