【完】笑顔
「…クン。祐一クン?」
『…なに??』
女どもが俺を呼ぶ。
「どうして祐一クンは、瑞姫だけ名前で呼ぶの??ウチらのことも名前で呼んでよ!!」
はぁ??
なんでそんなことしなきゃいけねぇんだよ。
『なんで??』
「なんでって。それは…」
女子が言葉を詰まらせる。
『俺の自由じゃね??』
俺は女子達に冷たく言い放った。

俺は絶対に瑞姫以外の女を下の名前では呼ばない。
つーか呼ぶ義理ねぇし?
だから女子を呼ぶときは名字。
これは、俺が瑞姫を特別にしている証拠。
瑞姫はそれに気づいていないけど…。

「幼なじみだから」

そう思っているに違いない。

でも俺は…瑞姫を振り向かせるって決めたんだ。
絶対に。何があっても。振り向かせるって…。
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