地味男子
 あたしはゆっくりとその教室に近づいて耳を傾ける。


「お前さぁ、ずっと黙ってんのもいい加減にしろよ。 なぁ? 聞いてんの?……黙ってんなよ!!」


 さっきとはまた別の声。



 どういうこと?


 一瞬入口から見えた男の人が3人ほど。



 誰?


 一緒に帰る人?


「地味男のくせしてよぉ!! なんで付き合ってんの?」



 …は?



 地味男?



 意味わかんない!



「ちょっと!! 潤君は地味男なんかじゃないよ!!」


 何かに切れたあたしは教室の中に駆け込み大声をあげた。


「は? …澤田 柴乃ちゃん? …////」

「柴乃っ!?」

「潤君と一緒に帰るのはあたしが我慢すればいいけど、潤君をバカにするのは許さない!!」



 潤君は地味男なんかじゃないもん…。


 いくら一緒に帰るぐらい仲のいい友達でも許さない!


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