意地悪なヒト
終わりなんか。







梶原くんの制服を離して
私はベッドから降りた








今日はもう帰ろう









さようなら、梶原くん







私は保健室を後にした。











ぐるぐると渦巻く







気をしっかり持たなきゃ









私はいつものように
キリッとした
どこか冷たい瞳をはなった










「お、日比谷、大丈夫だったか?」







世界史の先生が
私を見てそう言った。








「はい、もう大丈夫です。
ご心配かけて申し訳ありませんでした。」







深々と頭を下げた






世界史の先生は
気をつけてなと言って
去っていった。








私は階段を上がった。









教室に入ると
数名の生徒がいた。







もう放課後か








みんな帰る準備をしている。







私も自分の席に行って
カバンに荷物を詰め込んだ。








はぁ…。と、ため息を漏らし
辺りを見回すと
すでにみんな下校したようで
誰もいなかった







ふと、茜色に輝く空を見上げた。






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