初恋
9
お金を払って自宅に帰った




誰もいない



こんな時、一人っ子は辛い



ペンポーチから紙を探し当て、携帯に信じられない位のスピードでアドレスを打ち込んだ





『夜遅くにすみません。アドレスありがとうございます。冴川です。届きましたか?』



PM10:00


送信





ふと鏡を見てみた



眼帯だし、頬の傷は消えなくてガーゼ貼ってあるしで 痛々しさ満載だった



頬のハートの傷は薄くなったものの、まだ痛い




初めてこの傷を見た母は笑った



もう別に、どうでもよかった



おばあちゃんは心配してくれたのに



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