初恋
「…多分見たらショック受けますよ…」



「んなこと無いって。…スッピンでもよかったのに」



「わざわざ誘って頂いたんですから、しっかりしなきゃと思って…」



「冴川ちゃん偉いなぁ。てか、そのコーデ可愛いね。制服しか見た事無かったから余計にかな(笑)」



先輩は小さく笑いながら、車のドアを開けてくれた



「おはようございます。すみません、わざわざ朝からご迷惑を…」



頭を下げながら、シートに座ると、先輩のおじいちゃんが振り向いた



見た瞬間 おじいちゃんまで目が大きくなった



「いやー、今までの彼女さんは可愛くない子ばっかりだったから驚きだよ!よろしくね!」



へにゃりと笑って言ってくれた



優しそうな人でよかった



「つーか、まだ彼女じゃ無いから(笑)ごめんね。冴川ちゃん」



車の中は和やかだった



おじいちゃんは楽しい人で、ピアスも開けていてオシャレだった



「柊城と一緒にピアスを見に行ったりするんだー。まだまだ俺は若いから」



ケラケラと笑いながら喋るおじいちゃんは先輩に少し似ている気がした



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