初恋
12
家に入りながら、先輩にありがとうメールを送った



寒くて指が動かなかったけど、無理矢理動かした



お風呂が終わり、テレビを見ていると電話が鳴った



お父さんだった



久し振りに見るその文字に驚きながら携帯を開いた



「もしもし」



「もしもし、俺だけど…帰れなくてごめん」



思わぬ言葉だった




「う、うん。どうしたの?」



「お年玉、リビングの机の上に置いといた。…帰れる時には連絡する」



出張みたいな言い方だけど、ただ単に女の子と遊んでるだけでしょう



なんて情けないのだろう


「ありがとう。じゃぁね」



連絡待ってるよ、なんて言わない



怒らなくて、お金をくれるから私はお父さんの方が好きだった





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