初恋
おんぶする、という事だとすぐに分かった
でも残念ながら私のほうが先輩より重い
先輩の体重を知っている訳じゃないけど、迷惑をかける訳にはいかなかった
「いいです、大丈夫です。血出てるけど全然痛くないんですよ!」
その場で飛び跳ねてみた
コンクリートと傷口が擦れ合って痛い
ニコリと無理矢理笑えば先輩は溜め息を吐いてから立ち上がった
「どうせ体重とか気にしてるんでしょ。…まぁこれからばいばい先輩んとこ行こうと思ってさ。15分位歩かなきゃだよ?」
15分もこの痛さに耐えるのか…
「15分なんて余裕です!大丈夫ですよ!」
そう言った直後に先輩がしゃがみ込んで、手で軽く私の足の甲を押さえた
「痛っ!」
しまった という顔をすれば、先輩は笑って、
「ほらね(笑)」
そう言った
「…女の子は頑張らなくていいんだよ」
仕方なく先輩の上に乗っかった
いつもよりも高いところから見る景色は、いつもとは少し違った
「重くないですか?大丈夫ですか?15分耐えれますか?」
歩き始めた先輩に慌てて聞いた