初恋


おんぶする、という事だとすぐに分かった



でも残念ながら私のほうが先輩より重い



先輩の体重を知っている訳じゃないけど、迷惑をかける訳にはいかなかった



「いいです、大丈夫です。血出てるけど全然痛くないんですよ!」


その場で飛び跳ねてみた

コンクリートと傷口が擦れ合って痛い



ニコリと無理矢理笑えば先輩は溜め息を吐いてから立ち上がった



「どうせ体重とか気にしてるんでしょ。…まぁこれからばいばい先輩んとこ行こうと思ってさ。15分位歩かなきゃだよ?」


15分もこの痛さに耐えるのか…



「15分なんて余裕です!大丈夫ですよ!」



そう言った直後に先輩がしゃがみ込んで、手で軽く私の足の甲を押さえた


「痛っ!」



しまった という顔をすれば、先輩は笑って、


「ほらね(笑)」


そう言った



「…女の子は頑張らなくていいんだよ」



仕方なく先輩の上に乗っかった



いつもよりも高いところから見る景色は、いつもとは少し違った



「重くないですか?大丈夫ですか?15分耐えれますか?」



歩き始めた先輩に慌てて聞いた
< 175 / 238 >

この作品をシェア

pagetop