初恋
「冴川ちゃん、着いたよ」


やけに重たい目を開けた


そういえば先程よりも寒くない



むしろ、暖かい



「いらっしゃーい、冴ちゃん。お久し振りだね」


ばいばい先輩のお家の中にいた



いつの間にかソファに座らされていた



慌てて目を擦り、櫻木先輩にお礼とばいばい先輩に挨拶をした



「そうそう。ちゃんと足やっといたからね。女の子は裸足で歩いたらだめだよ!」



絨毯の上に座っているばいばい先輩が私の膝を叩きながら言った



「あー。セクハラじゃーん(笑)」



櫻木先輩がピシャリとばいばい先輩の額を叩いた


その間に足を見てみると、絆創膏やら包帯やらが巻かれていた



「足、ありがとうございます」



お礼を言えば、ばいばい先輩は少し笑って、何処かへ行ってしまった



「…明日から学校だね」


悲しそうに先輩が言った


「…もっと休みが長ければいいのに」



ただ単にそう思っただけなのかもしれないし、何か悩んでいる事があるのかもしれない


そんな風に聞こえる喋り方だった
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