初恋
「…でも、先輩に毎日会えるから、私は学校好きですよ」



好きっていうのは嘘



先輩がいても、学校というもの の魅力は私にとっては皆無だった



「無理しちゃって。…冴川ちゃんの悲しそうな顔見たくないんだよ、俺は」



いきなりそんな事を言うからびっくりした



更にうっすらと目に涙を浮かべている



「先輩がいると思えば、1人も辛くないですよ。ありがとうございます」


「何授業中も1人にさせようとしてんの?俺らが教室の隣りの席に座ってればいいだけじゃん」



気が付けば ばいばい先輩が戻って来ていた



「いや、でもそれは…」


「いいですよ、そこまでして頂かなくても。体育は保健室ですし、お昼休みだって会えますし」



少し頑張れば、先輩達に会える



「10分休みにも、掃除中にも行くからな!」



ばいばい先輩がやけに楽しそうだった








< 178 / 238 >

この作品をシェア

pagetop