キミに届け





―――ドンッ。



次々に当たる体と体。


アタックとかそんなもんじゃない。



〝私が一番誠くんの近くに行くのよ〟


まさにそんなオーラを放ちながら、女子たちを押し退ける後ろの女子たち。



正月のバーゲンセールを思い浮かばせるその光景。


人一倍力のないあたしはそこに踏ん張っていることなどできずに、ドシドシ後ろに追いやられる。



人の波に酔いそうになる。



あたしの周りはあたしよりも大きい背の人が多く、酸素が上手く吸い込むことができない。



誠くんに貰ったメモ用紙を離さないようにするのがやっとだった。


それしか頭にないから、あたしはどんどん後ろに流されて行く。



< 51 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop