*coffret a bijoux*(SS集)
だけど、じゃあどこで
どんなふうにしたいかって
聞かれると、ホントに
困っちゃうんだよね……。



「ないよ、ってンな
あっさりと……。

お前の結婚式なんだ。遠慮
なんかしなくていいんだぜ?」



柊弥が顔を覗き込むように
して聞いてくる。



だけどあたしは軽く身を
引きつつ、



「遠慮なんてしてないよ。

けどゴメン、本気で何も
思いつかないから……」



あたしはただ、柊弥が用意
してくれた純白のドレスに
身を包み、神様に誓いが
たてられればそれでいい。



いい日取りだとか立派な
教会だとかそんなことが
重要なんじゃなくて、大切
なのは『ずっと共にいる』
って誓う、その気持ち
なんだから。
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