*coffret a bijoux*(SS集)
     ☆☆☆☆☆



「……で、ここがその
“いいところ”なわけ?」


瞬也に連れてこられた先で、
あたしは頬をピクピクさせて
彼に尋ねていた。


「うん、そう」


シレッとした顔で答える瞬也。

手には、ビールのジョッキを
持っている。


「――どこがいい所よっ!?

いつもの居酒屋じゃないっ」


そう。

ここは今の瞬也の家の
近所にある、個人経営の
小さな居酒屋。


小さいだけじゃなく、
お世辞にもオシャレとは
言えない、昔ながらの表に
赤提灯がかかった純和風
テイスト。


大将は小太りの中年おじさんで、
愛想はいいけど、声が大きい。


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