*coffret a bijoux*(SS集)
「―――じゃあ、
このままでいいっ」




かけ声のように言うと、
鞠花ちゃんは両手で
ガシッとカップを掴んで、
勢いよくグビグビッと
飲み始めてしまった。




「あっ………」




あっけにとられるボクの
眼前で、鞠花ちゃんは
何度かノドを鳴らしてたけど――




……その顔がだんだん、
困ったように歪んでくる。




「………あ……
味がしない……(泣)」




「……………」





あはは。




自慢の紅茶も、子供に
かかれば“味がしない”か。



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