*coffret a bijoux*(SS集)
女性はボクやスタッフには
目もくれずに鞠花ちゃんに
駆け寄ると、屈み込んで
ギュッとその小さい体を
抱きしめる。




「ごめんね、ママ……。

鞠花、どうしてもママが
好きなこのお店に、一人で
来たくて……」




「ここに―――来たかったの!?

だったらどうしてママに
そう言わないの!

お教室を抜け出すなんて、
ママもうびっくりして……!」




とそこまで言って、
ようやく彼女は自分に
集中する視線に気づいた
ようだった。



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