星空



そんなはずはない。



私は失う物が何もないのだから…



家族、友人、夢…


そして恋人…


生きている意味など私には、もはやない。




腰の高さまであるフェンスを乗り越え、わずかな段差を登った。


真っ暗だから、高さへの恐怖はない。



今日の夜空は、私の気持ちとは裏腹に雲一つない星空。


こんな時まで晴れなくてもいいのに…




そんな私の気持ちなどおかまいなく、今日の星はとても綺麗だった…。




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