迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
「上からも下からも、同級生からも狙われてるらしいからねぇ」
気をつけなよ、なんて言いつつも、茉奈は明らかに楽しそう。
「ま、でも相変わらず、
みさき一筋っぽいから心配ないか」
「……どうだか」
モテるのは知っている。
私がいるせいか、おおっぴらに告白こそされないものの、
事あることに突き刺さる熱い視線。
何かやるたびに、キャーキャー騒ぐファンもいるくらいだ。
私は気が気ではない。
「あの頃から一途だったもんねぇ。
仔犬みたいにみさきにくっついて回ってさぁ。」
懐かしそうに呟く茉奈。
「でも、今でも同じじゃない?
みさきから離れないし、3年の教室にだって堂々と会いにくるくらいだし?」