泣きたいわけじゃなくて
「…。今日の事?」
「…うん。ごめんね?変な心配させちゃって。
私とペアなんて嫌だったでしょ。」
「…別にそんな事思ってないけど。」
ハァ…。
関係ない相沢君にまで、心配かけさせて私は一体どこまで人を困らせれば気がすむのよ…
……もうやだ…。
「いいよいいよ!分かってる。
私は誰からも必要とされてないんだから…あれ?なんで涙が出てきたんだろう?!ごめん先に行っ…」
急に相沢君に抱きしめられた。
「?!」
「宮迫さん。無理しないで。
俺は宮迫さんの事必要だな。俺に話し掛けてくれた女子初めてだし。」
そう言って少しの間抱きしめられたまま放心状態になっていると、相沢君から離れた。
「ご、ごめん!いきなりこんな事されたって困るよね…。
じゃあ、先行こうか。」
「ううん。ありがとう。
相沢君って普段喋らないけどすごくいい人なんだね!
おかげで元気でたかも!」
そう言うと、今度は私から相沢君の手を取り歩き出した。
肝試しが終わってからも私は相沢君とばかり話していた。
相変わらず美奈と明実とは話さず、別の班みたいだった。
中谷とも話しずらいし…。