君だけしか映らない
「え〜!?それホント?」



「うん…ホント。」



みんなはかなり驚いたようで、目を見開いたまま笑美を見つめた。



「そんなことがあったんだ…。委員長災難だったね」

「うん…そうなの。佐伯くんとなんてなるべくなら関わりたくないのに…。」



「だよね。私も佐伯くんは見てるだけでいいよ。話しかけるとか、自分に自信がなきゃ出来ないよ。」



みんなに話して良かったと笑美はホッとした。

みんななら自分の気持ちをわかってくれる。

朝、教室までくる途中、派手目の女の子たちが「悠哉のパシリなら私もなりたい」と言っていたが、ここにいるメンバーはそんなこと思わないだろう。



「ねぇ…それでそのパシリっていつまでやるの?」



「…!そういえば期限聞いてなかった!!」



うっかり忘れてた。期限を聞き忘れていたなんて!



「今日、帰り際にこっそり聞いてみる!!」



「そうした方がいいよ?くれぐれもこっそり聞くんだよ。…町田さんとかに見られたらまたうるさく言われちゃうからさ。」



「うん、わかった。」



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