積もる思い、真実の愛。
どちらとも通じる恭哉から聞いた話は、すべてが本当だと物語っているから。
まるで目の下のクマを隠すように、いつもよりさらに濃いメイクのアホは嘘がつけない。
何より、いつもより輝いて見えるのは隠しようが無いけどな…。
俺から指示を受けた書類を受け取って、苦笑しつつ立ち去ろうとした望未。
その振り向きざまに微かに見えた、祐史さんのアトの効力は甚大だった。
綺麗に巻かれた髪が揺れた先に、少しだけ見えた紅い印に嫉妬心がかられて。
どこへも行き場の無いソレは、ただ愚かな自身を嘲笑する材料に過ぎない。
ああ好きな女が抱かれてるのを見るのって、こんなに堪えるモノだったのか…。