天使の悪魔


ぁあっ!!


「あああああぁぁぁぁっ!!!!」

私は精一杯大きな声で、

先へと歩き出した男の人を指で指した。


私の叫び声とともに、彼は不機嫌な顔をこっちへと振り返った。

「あんだよ、うるせーなー」


振り返った彼の顔をまともにもう一度見ると、

カッコよすぎて思わずドキッと胸が鳴った。

まぁ、一瞬の話だけどね。


「ねっ、ねねねっ!!こっち来てくださいっ」

私は急いでるように両足を地面で走らせる。

「ああ?」

彼はイラついてるそうだけど、

素直にこっちへと歩き出して、私の目の前で立ち止まった。


「違う…違いますっ!!もっとあっちに行ってください!」

私は彼が来た方向に手を差した。

彼は、

「なんだよお前、生意気。」

と言いながら私をギロっと睨んで歩き出す。


その目線、ずっと見てたら軽くトラウマになりそう…

いやっ、その前に!!

やっぱりそうだっ、そうなんだっ!!


ほら、やっぱりっ!!


私は何事かにウキウキして、口元が緩んだ。



< 25 / 50 >

この作品をシェア

pagetop