天使の悪魔
ぁあっ!!
「あああああぁぁぁぁっ!!!!」
私は精一杯大きな声で、
先へと歩き出した男の人を指で指した。
私の叫び声とともに、彼は不機嫌な顔をこっちへと振り返った。
「あんだよ、うるせーなー」
振り返った彼の顔をまともにもう一度見ると、
カッコよすぎて思わずドキッと胸が鳴った。
まぁ、一瞬の話だけどね。
「ねっ、ねねねっ!!こっち来てくださいっ」
私は急いでるように両足を地面で走らせる。
「ああ?」
彼はイラついてるそうだけど、
素直にこっちへと歩き出して、私の目の前で立ち止まった。
「違う…違いますっ!!もっとあっちに行ってください!」
私は彼が来た方向に手を差した。
彼は、
「なんだよお前、生意気。」
と言いながら私をギロっと睨んで歩き出す。
その目線、ずっと見てたら軽くトラウマになりそう…
いやっ、その前に!!
やっぱりそうだっ、そうなんだっ!!
ほら、やっぱりっ!!
私は何事かにウキウキして、口元が緩んだ。