天使の悪魔



「先輩。嘘をつくと閻魔大王に舌を抜かれますよ?

先輩が通る時、タバコの匂いがしますっ!」

大声プラス早口で言ったから、私は息を切らしてしまい新鮮な空気を吸う為にゼェハァと声を出す。

そんな私に、男の人は私を睨む。


ていうか、

近い……?

鼻と鼻がぶつかりそうな距離なんですけど?

え?

何この距離??


彼の吐息が頬に当たってなんだかくすぐったい。

ところが私は息していいのかよくないのか戸惑う。


「何?アンタそんなんで俺を疑ってたわけ?鋭いねー」

す…鋭い?!

初めて言われたー!!

今までは佳奈ちゃんに思いっきり鈍臭いとか言われてた!!

私は思わず、口元を緩めてしまった。



その瞬間―――………




< 27 / 50 >

この作品をシェア

pagetop