天使の悪魔



『あのー…』と、声を掛けようとした時、

そう、その時……


「あはは」

ビクッ


棒読みのような笑い声に、怖くて体を震わせた。

な、何?!

壊れた?!


「クックック……」

あっ、

良かった…

ちゃんと笑ってくれた……


彼は俯いて、体を揺らせている。

何がそんなに面白いの?

彼の顔を伺おうとした時、急に顔をバッと上げた。

「ぅわ!」

「あ?何」


いやいやいや、急に顔上げてビックリしたんですけど!

私は唾を飲み込んで再び彼の顔を見上げた。

あ…

笑顔カッコいい…


笑う時、口の側にできる小さな笑窪

キリっとした細長い軽いツリ目ももっと細くなる


てか、ジロジロ見る私って、変態?!

いいや、カッコよすぎる彼が悪い!

なんだよ、女の子の私も羨ましんじゃう整った素敵な顔!!

私にもその「美」を分けてくれよ!!

まったく!

って何の話だ今は!!


繋げる話を頭の中で必死に探すけど、どうも見当たらない。


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