【超短】また明日

「…そうか。」

僕は彼女の髪をくしゃりと撫でた。

「あたし…死ぬのかな。」

「死なないよ」

フォローを入れたつもりはなかった。
ただ、純粋にそう思ったんだ。

「お前が死んだら僕が困る。」

「………」

「毎日の5分間の楽しみが無くなっちまうからな。」

「…お兄ちゃん」

「…あぁ、もうすぐ5分だな。僕はもう戻らなくちゃいけない。」

「もっと…話し…たいな…。」

「面会は5分間だけだっただろ?また明日も来るから。」

こんなことを言っていて僕は正直辛かった。


「…うん。わかった…」

あぁ、ごめんな。

僕はベッドの脇の椅子から立ち上がり、「じゃあな」と小さく言った。

彼女もまた小さく手を振る。


ドアを閉める時だった。

彼女の口が動いたのは。




< 5 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop