恋愛温度、上昇中!
気付けば私は関谷に何となく視線を捕られていて、必然的に関谷がこちらを向けば視線が合う。
そういえば、
あたし、今日まだ関谷と会話してないな。いや、別にいいんだけど。今日はありがとう、と言わなきゃいけないのかな、でも、別に有り難くなんてないし。
……まあいいか。
切れ長の夜色の瞳に何を語るでもなく目線を逸らせて私は呑気に中華皿に手を伸ばした。
「…よく食うな」
多分、私に向けられた低い声。
ゆっくり、振り返る。声の相手、関谷は、相変わらず無表情に私を眺めていた。
「別にいいでしょ」
今日、初めて交わした第一声がこれかよ。とか思わないでもなく。
「汚すなよ、服」
買ってあげたとでもいいたいのか。お金は返すし!
「心配頂かなくても、結構」
この真っ白い生地を汚すなんてマナー違反はしない。
だけど料理は美味しくいただきたい。
私はニコリと作り笑顔を振り撒いて、オマール海老をがぶりと口に運んだ。