恋愛温度、上昇中!
「さおりぃー…」
祥子があたしにもたれかかる。
「大分飲んだわね」
あたしだって、言えた事じゃないけど。
「…いい奴じゃないのー」
「…なにが?」
祥子は半分眠った様にぼそぼそと声を出す。
「関谷よ!」
視点の定まらない座った瞳があたしを力なく睨んだ。
「な、何言ってんの」
思わず、その勢いに動揺する。
「いい男だわ。あんたにゃ勿体無い」
「…関谷は関係ないし」
「『強がり』なんだからぁ」
祥子はクスリと笑ってあたしを小突いた。