恋愛温度、上昇中!

「あたしが関谷もらうわよ」

悪戯に祥子が笑う。

「勝手にして」

あたしはそれを逸らして窓に目を向けた。

「…あんたはさあ、もっと素直になりゃあいいのよ…、でも、…関谷がいるからいいかぁ」


祥子は酔った声で、呟く。


「だから、関谷は関係ないって」

「あるわよ!」

祥子は瞳の色を取り戻して言い切った。あたしは、また、ありもしない眼鏡を直す為に指先が空を切る。

「…良かったと思ってる」

祥子が、本当に、ホッとした様に呟いたから、あたしは少しだけ切なくなった。


「さっきは…ごめんね」

祥子は叱られた子供の様に謝る。


ねぇ、祥子?あたしはあんたのそんな所が羨ましくて、

「…謝る事じゃないでしょう?」

「ううん。あたしにも頼って欲しいから」



とても好き。


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